TOP

— 7名のUXチームを立ち上げる

グリー株式会社のJapan Game事業本部 Art部 Art Productionグループというところで、グリー株式会社で出しているモバイルゲーム(ブラウザー/ネイティブ)の クリエイティブを横断的に見る組織のUXデザインチーム責任者をしています。
ゲーム開発にプロジェクトメンバーをアサインし、UX設計の観点でゲーム企画の初期段階から入って開発のプロセスに関わる役割が1つ。 そして、ローンチ前のプロジェクトやリリース後の運用が始まったゲームに対して、ユーザーの意見をヒアリングするユーザーテストを実施する役割がもう1つです。

— ユーザーテストは依頼からレポートまで10営業日で実施

Photo

僕がUXチームを見るようになった当初は、ユーザーテストを行う機能のみを持ったチームでした。 かつ、1本のテストに1、2ヶ月の工数がかかっており数がこなせず、そのため経験値が増えず、結果として組織的認知がされにくくニーズが一向に高まらないという状態でした。
僕は、ユーザテストはあくまでも「検証と評価」のためのものだと思っていて、テストだけを切り出して実施しつづけていてもそれはUXデザインとはよべないのではないかという課題意識がありました。 もっとメンバーをプロダクト開発に深くコミットしてもらうために、当初相当工数のかかっていたユーザテストの工数圧縮を行いました。 細かくユーザテストの工程と工数分析を行ってみると、前段のテスト設計と、最後のレポーティングに相当な工数をかけていることがわかりました。 何か特殊なことをやっているのかと思いながら中身を見ていくと、いくつかの法則に則っておりパターン化できることが判明したため、できるところは全てフォーマット化しました。 また、何週間もかけて細かくデータ分析をしたレポートを報告しても、既にチーム状態や開発状況が変わってしまっていることが頻繁にあり、相当なタイムロスが発生していることもわかりました。 レポートの質・データの精度・分析の精度をトレードオフで考えた時に、よりスピーディーでアクショナブルであるべきだと考え、テスト後に簡単なアクションリストを作ってすぐに送る運用体制に変更しました。 時間をかけた丁寧な報告よりも、まずは「今回のテストの肝はここでした」と情報共有をすぐに行うことを大事にするようにしました。

— テスト成果を熟成させる

テストを実施したその日に、みんなが特に重要だと思ったところをディスカッションするための時間を設けるようにしました。 プロダクトオーナー・デザイナー・エンジニアが揃ってサービスについて意見する機会って実は少くなってしまいがちなので、 みんなの視点がずれないようにそれぞれどのように捉えているかを共有することが目的です。
プロデューサーはこう言っているけど、デザイナーは納得できないままやる、と言ったようなことが発生しないように、UXチームがファシリテーターに入り、 ワークショップ形式でお互いの率直な意見をその日のうちに擦り合わせます。 日々のタスクを離れ、広い目でサービスのそもそも論を話す機会はチームのよい刺激にもなるようで好評です。

— 組織のニーズ=隙間を見つけ、チームの形を合わせにいく

Photo

組織の中でデザイン活動が行われている以上、組織のニーズがなければチーム活動として成り立たないと思っています。 まずは、今の組織の中で最もニーズが出そうな形にUXチームの活動を再定義することから始めました。 UXとはこういうものであると言った理想論を基に、正しい解釈からこういう手法をとるべきであるという議論もありますが、 それを真っ向から組織に入れようとすると、時に衝突が起こったり、平行線になって進まなかったりすることが多い。 こちら側が良いと思っている手法も、向こう側にメリットを感じてもらえなければ結局やり損になってしまうし、組織にフィットさせた取り組みにして、分かりやすく伝わりやすい形の活動にしないと、 そのチームが何をやっているかということ自体が伝わらなくなってしまう。 そうすると、ただの厄介な人みたいになってしまうので、まずは組織にフィットする形でニーズを作り、成果を残した上で徐々に理想の形に近づけていく、みたいな動き方にしたいなと思っています。

— UXデザイナーにおけるファシリテーション力

プロジェクトの完成度やスピードを上げるにも、チーム全員で企画の意図を共有できているかという部分が非常に重要だと思っています。 モバイルゲームを作る企画フェーズでは、「ゲームシステム」や「遊びとしての楽しさの定義」などの世界観の企画、コンセプトアートや、 実際の詳細な企画、UI設計や画面遷移などの構造設計、とそれぞれの工程をそれぞれの専門家が行っています。 その後、各専門分野が創り上げた企画の意図をくみ取り、他の専門分野と融合させながら企画を固めていきます。
「今やりたいことはこういうことですよね」、「こういう形で設計をしていくと実現できますよね」と工程のコミュニケーションロスを極力減らして、 企画の意図や方向性をチームで共有した上で具体的な設計に落とし込んでいくファシリテーション役というのが、UXデザイナーのひとつの役割としてあるのではないかと考えています。

— 同時多発的に施策を行い、組織内で目立つ

Photo

大きな組織で目立つということは、非常に難易度が高いことだと思います。 色々なチームや人がそれぞれ高いアウトプットを出している中でどうやって目立つかを考えたときに、「同時多発的」に施策を行うしかないと思いました。 UXチームでは、テストの依頼からレポート作成までを10営業日に大幅圧縮できたことで、昨年1年間の実績をたった3ヶ月で超えることができました。 直近では、事業本部内のMVPにチームが表彰されたり、企画段階のタイトルにアサイン依頼が来たり、社内の色々な部署から相談をもらえるようにもなり、テストだけのチームからぐんと仕事の幅が広がってきましたね。

<インタビューに関連するタグ>

編集後記

yn

UXの領域において「理論主義」でも「現場主義」でもなく、その中間に入っていける人の需要が高くなっているはずであると語る村越氏。 UXコミュニティーに属して自身もカンファレンスの運営に携わり、インプットを続けながらグリー株式会社という大きな組織の中でUXチームの基盤作りに努める姿は、まさに「理論」と「現場」の両立を実践している人だった。
情報アーキテクチャ設計をベーススキルにしているため、組織や業界、仕事の全てにおいて物事を構造的に考えている姿が印象的だった。

取材・撮影・文/鳴釜優子

レポート

dots.CareerMeetUp - UIUXの巻「うちのUIUX事情/基調講演:BCG Digital Ventures Experience Designer 坪田 朋 氏」 -

資料 3件  写真 1件  ブログ 1件 

最終更新:2016/11/29

HULFT勉強会 in 大阪

資料 0件  写真 4件  ブログ 1件 

最終更新:2016/11/24

【満席につき増席!】RecoChoku Tech Night #02

資料 3件  写真 4件  ブログ 1件 

最終更新:2016/11/15

Facebookページ