RESASのデータから地方創生を考える熱い2日間!(2/4)

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RESASのデータから地方創生を考える熱い2日間!(2/4)

内閣官房 地方創生推進室 RESAS担当 大村 浩之 氏の登壇、そして開発スタート!

ここで内閣官房 RESAS担当大村氏が急遽登壇。

「ここまで聴いていた中でも、たいへんユニークですばらしいアイディアが多くあり、嬉しく思っています。実はRESASに関わっている内閣府のメンバーは非常に数が少なく、最低限の人数でやっているもので、ぜひとも外部のお力を借りたいと思っています。今回ハッカソンで作ったアイディアで、ぜひ内閣府のコンテストにも応募してください」

 5,4,3,2,1とカウントダウンし、14時13分からハックスタート!
 18時からの中間発表に向けて、アイディアを実現させるべく各チームでの作業が始まりました。

1日目中間発表

そして18時。本日の締めとなる中間発表が始まります。


1. ZenOS(岩手県)
 まずは、岩手県を選んだチーム。チーム名は「ZenOS」となりました。地域創生を頑張っている地域だから岩手を選んだという彼らは、「ITの知見がない企業や法人、地域の人達にITソリューションを使った新しい自治体運営の仕組みを提供」すると発表。エストニアの事例を参考に、仮想通貨の発行と、その通貨の送受金とメッセンジャー、そしてコミュニティを誰でも作れるというシステムを提供するとのこと。この中間発表の時点では、送受金システムをブロックチェーンを使って作成。さらにWebベースのメッセンジャーを作り、ここで送受金ができるようにしていました。この後、管理画面と、誰がいつどこでどれだけ通貨を使ったかがリアルタイムで感知可視化できるシステムを作ると発表しました。

 発表後、チームラボ床並氏より、導入事例について質問があり、エストニアのブロックチェーンを使った、仮想通貨による経済圏を作って運用している事例について説明。同時にブロックチェーンを使うメリットなども解説されました。


2. シン・ショクアン(群馬県)
 2番目は群馬を選択したチーム「シン・ショクアン」の発表です。群馬の良いところは、「群馬」と言うだけで笑いがとれるところだという彼らが作るのは、「地元に戻りたい、あるいは地方への移住を考えているが、その地域に行って仕事があるかどうか不安という人にわかりやすく情報提供することでUターンIターンを促し、地域を活性化する」ためのサービスです。地方へのUターンIターンJターンを考えているユーザーが、地域/年齢/業種を選択すると、その地域に移住した時に想定される年収・住民税・支出などの金額を表示します。起業のしやすさなどの指標も表示することで、単なる転職情報にはとどまらない多様な働き方の提案をしたいと考えているということでした。

 この発表に対しては、内閣官房 RESAS担当 大村氏から「子育てのしやすさも指標に入れて欲しい」という要望がありました。


3. アニメRESAS研究所(静岡県沼津市)
 3番目は、投票選外からの敗者復活枠、沼津を選択したアニメ版RESAS研究所です。アニメ「ラブライブ」の聖地として盛り上がった沼津をモデルケースにして、「アニメビジネスにあやかっていない企業や取り掛かっていない会社向けに、聖地ってこれだけ儲かるんですよという統計的なデータを出したい」というアイディアを発表しました。幅広い地域で使えること、アニメの企業やコンテンツホルダー、自治体の地域振興課、観光協会にもニーズが有ると思っていることなどをアピール。RESASとの連携については、「最初はすでに聖地ビジネスが盛り上がっているアニメを中心に、例えばその地域に来た観光客の数などをRESASのデータでグラフ化して表示するという感じ」とのこと。アニメの放送開始からの数字の変化で、聖地ビジネスの効果を可視化するわけです。

 この発表に対しては、チームラボ床並氏より、ご自身が携わる千葉市での「弱虫ペダル」による効果検証が難しいという経験から、見せ方次第だが完成したらあちこちで紹介したいという、評価がありました。


4. サバトレ(福井県鯖江市)
 4番目は、鯖江市を選択したチーム「サバトレ」。普段の何気ない生活に宝物を、というコンセプトによるリアル宝探しアプリ、鯖江市トレジャーハンティング「サバトレ」を提案しました。急にちょっとだけ空いた時間などを利用して、その地域の宝物を探すゲームです。宝を見つけて実際に地域の良いものを手に入れることができ、その過程を体験し、町の情報を得られるゲームだという内容を、演劇風にプレゼンされました。「鯖江市の管理の元、引換券がお宝として隠してあって、それを渡すと地場の特産品や体験コースなどと交換できるというもの」を考えているということでした。

 この発表について、誰でも何でもお宝として隠せて、誰でもが探せれば面白いとチームラボの椎谷氏からのコメントがありました。それに対しては、誰でも隠せるのはマズイので市に管理してもらいイベント会社等プロに運営してもらうという答えがありました。


5. matsuri.jp(長野県)
 5番目は、政治をまつりごとと呼ぶところからチーム名を取ったという長野県を選択した「matsuri.jp」です。投票率の低さや政治参加のハードルの高さの解消を課題として考えられたのは、「自分たちの地域の情報を入れると、財政規模や産業構成、人口構成などが似ている市町村を、あなたの市町村と比較してくれるというアプリケーション」です。製作上、すべての市町村に検索をかけたいが、今回の検索回数制限に引っ掛かるため、チームラボと相談の上、データをダウンロードしてデータベースを構築することにしたとのこと。

 この発表に対しては、内閣府 RESAS担当 大村氏から「各自治体がどういう戦略を立てているのかも表示されると良い」と提案されました。


6. 星Niteen(広島県)
 6番目は広島県を選択した「星Niteen」。チームリーダーの出身地であり、歴史的建造物がいろいろある広島をモデルに製作しているのは、観光地や世界遺産に行くための経路を提供するというサービス。「経路を楽しむことで目的地も更に楽しくなるというアイディア」です。住民の皆さんの力を借りることで、様々な経路を提供できるサービスにしたいと発表されました。それによって、主観的なキーワードを打ち込むことでパーソナライズされた経路を表示できるという考えです。治安が悪い経路は避けよう、ゆるキャラがいる、クーポンが使える、最短距離を行きたい更にはポケモンGOなどの要素も取り込めると考えています。

 この発表に対しては、チームラボ床並氏から、「広島は有名スポットが近くに集まっているけど、行き方は様々。一度も行ったことがない人が、川沿いから見た景色がキレイだから夜に行こうといった新しい価値に気が付けるのは良いポイントだと思う」と評価されました。


7. 外閣府(全国)
 7番目は外閣府。ある都市と全国の税収上位5%の大都市との距離を計算して散布図を書くことで、大都市から距離が同程度であっても税収に差があるという事をグラフ化し、個人資産と行政の見えないコストを見える化しようという試みを発表しました。「例えば直線距離が同じでも、間に山や川があったり交通機関が発達していたりすると経済距離は変わってくる。この経済距離の差で、見えていないものをビジュアライゼーションしていきたい」というアイディアです。

 この発表に対しては、内閣官房 RESAS担当 大村氏から「こういうデータは内閣府でも持っていないので面白い」と評価されました。


8. TripRecommender(岩手県)
 8番目は、岩手を選択した「TripRecommender」。地域の魅力を発掘して、それを他の地域の人に届けるというシステムです。RESASのデータを使えば「自分の街に何があって何がないかを見ることができる」と考え、地域の魅力をデータによって再発見し、ユーザーに合ったリコメンドをするものを作りたいと発表しました。「RESASのデータに産業別特化係数とか観光別特化係数とかがあるので、それをベースにはできるのですが、渋谷区にないのはこういうものだ、それがあるのはどの町だというデータを取ってこようとするとややこしいので、その実装をどうしようかなと頭を抱えています」とのこと。

 この発表に対しては、チームラボ椎谷氏が「この間、富士市に行ってきたのですが、みんな遊ぶところがないという。こちらからしたら、富士山そこにあるだろう、って思う。だから外から来た人が、これがいいと言ったものがデータとして溜まっていくようになったらいいかな」と評しました。それを受けて、今回は難しそうなので、今後そういう部分に対応したAIなども組み入れたいと発言していました。


9. HappyChild(北海道)
 9番目は、子育てに向いた町を探すアプリを提案している「HappyChild」。「地方税を考慮して住まいを選ぶというのはいろいろありますが、子育ての助成についてはわからないのが現状」という実状を、22歳大学生まで医療費が無料の町、北海道の富良野を例に説明。医療費や出産、助成金、保育園、小学校などいろいろなデータをから自分にあった町を探すアプリを作りたいと発表した。

 それに対し、チームラボ床並氏は、「どういう助成金があるかという部分に特化して、それだけを提供してくれるというのは、情報が絞れているぶん利用者にとっては良いなと思います」と高評価。あとはビジュアル化したものができるのを楽しみにしていると締めた。


10. R-dush(全国)
 10番目の「R-dush」は、全国を想定して、自治体の健康診断が出来るダッシュボードを提案。「いまRESASが持っているデータの隠れた変数や、自治体が持っている競争力みたいなものを、いろいろな分析を駆使して取ってくるようなものです」と説明しました。自治体の中がどんな状況なのかという現状を可視化するダッシュボードになるとのこと。

 これに対し、チームラボの床並氏は、「各自治体内で必要な情報は担当毎に持っていたりするので、このサービスが新たに追求したいポイントがあった方がいいと思うがその点は考えていますか?」と質問。「健康診断に使えるという点が特徴だと思うので、ネガティブな情報も盛り込み問題点等を指摘できるようにしたい」と返答しました。また、チームラボの椎谷氏は、「RESASのデータを外で何に使うのかっていうのは大きな課題だったんです。ぜひこれを形にしてもらえるといいなと思います」と評価しました。


11. 静岡茶(静岡県)
 最後は11番目の「静岡茶」。その名の通り、静岡を選択したチームです。現在の茶葉の消費の落ち込みを解消すべく、生産者と消費者を結びつけるようなサイトアプリを製作。富裕層と外国人観光客をターゲットに、どのお茶をどの経路で売るのが良いか、といった情報を提供するということでした。また、消費者側にはお茶に関する体験を提供することも考えているそうです。

 この発表に対して、チームラボの椎谷氏は、「外国人になぜお茶がすごいのかというプロセスや新たな付加価値を見せるべきだけど、ただのECサイトになったらRESASをどう活用するのかという話になってしまうから難しい。けれども、うまく成功事例になれば他の地域でも使えると思う」と評価しました。

初日終了!

 ここまでで11月6日のハッカソンは終了し、ドリンクと軽食が用意されて懇親会に移りました。懇親会の乾杯の音頭を取ったのは、チームラボの椎谷氏。

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「RESASのデータを使うというのは非常に難しい課題なので、自由なハッカソンに比べ、難易度が高いと思います。1週間後、ぜひ形にしてください。ありがとうございました、乾杯!」


こうして初日は終了し、2日目となる1週間後のハッカソンへと舞台は移ります。

>>「RESASのデータから地方創生を考える熱い2日間!(3/4)」へ続く

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